ジュエリーの選び方

手元が老けて見えるを防ぐジュエリーの選び方とは?

手元が老けて見えるを防ぐジュエリーの選び方とは? ジュエリーの選び方

私自身、40代を過ぎた頃から「最近、手元がなんだか老けて見える…」と感じることが増えました。実際、宝石鑑定士としてお客様と接していると、「指輪をつけると手のシワが目立つ気がする」「どんな色やデザインを選べば若々しく見えるの?」といったご相談をよく受けます。

そんな現場でのリアルな声や、自分自身の試行錯誤も交えて、“手元が若返るジュエリー選び”のコツをお伝えします。

老け見えしないジュエリーの特徴とは?

若々しく見える手元には、ある共通点があります。まず大切なのは「光を取り込む透明感」があることです。

例えば、私が50代のお客様にをダイヤのブレスレットをおすすめしたところ、「手元がパッと明るくなった!」と驚かれたことがあります。実際、私自身も透明感のある石をつけると、手がワントーン明るく見えるのを実感しています。

手元がきれいに見えるダイヤブレス

手元がきれいに見えるダイヤブレス

肌のトーンがくすみがちな大人世代では、石そのものにツヤや輝きがあることで、手元全体が明るく見える効果があります。

また、地金の色と肌の相性も重要。黄み肌の方にはイエローゴールド、青白い肌にはホワイトゴールドやプラチナが映えます。私は、黄み肌なので、イエローゴールドをつけることが多いですが、厳密なきまりはないので、華やぎを感じるほうを気分で着けるようにしています。

イエローゴールドとホワイトゴールド

イエローゴールドとホワイトゴールド

さらに、柔らかい色味・細身のアーム・軽やかなデザインが、品よく洗練された印象を与えてくれます。私はこの3つがばらばらになるタイプをつけます。幅を調節できるのでとても便利です。

細いジュエリーの重ね付け

細いジュエリーの重ね付け

「派手すぎず、でもしっかり印象に残る」それが、老け見えしないジュエリーの条件です。

避けたいデザイン・選びたいデザイン

実際に老け見えを引き起こしやすいデザインと、代わりに選ぶべきスタイルをご紹介します。

×避けたいデザイン
実は私自身、30代の頃に流行った大ぶりのシルバーリングを今つけてみたら、指が短く、手全体がごつく見えてしまい驚いた経験がありますゴチャついた装飾は、実際にお客様の手元で試着しても、華やかさより盛りすぎ感が出てしまうことが多いです。

ごちゃついた装飾のリング

ごちゃついた装飾のリング

また、グレー系の色石を選んだお客様が「手のくすみと同化してしまう」とおっしゃっていたことも。くすんだ色石(黄味がかったグレーなど)はぼんやりしてしまいます。接客のとき、手を状態を見ておススメしないようにしています。

くすんだ色石のリング

くすんだ色石のリング

〇選びたいデザイン
一方で積極的に提案しているのは、肌から浮かない優しい発色(ローズピンク、アクアブルー、ミントグリーンなど)のリングです。自分の手を見るのが楽しくなって、私もつけているときはしわなどが気にならなくなります。

ローズピンクのリング

ローズピンクのリング

透明感のある宝石(クォーツ、スピネル、トパーズなど)も気持ちをわくわくさせてくれます。いくつか手に乗せてみていちばん手元がきれいにみえるものがいいです。

透明感のあるジュエリー

透明感のあるジュエリー

指が長く見える縦長フォルム、細身で軽やかなアームのものは、若々しくみえます。決して華奢だけではなくて、洗練された大人っぽさが出るものを提案しています。

細身で軽やかなアーム

細身で軽やかなアーム

デザインひとつで、手元全体の印象がガラッと変わることをぜひ知っていただきたいと思います。

プロが教える年代別・手元が若く見える宝石の色

長年ジュエリーをあつかっていて、古くから付き合いのあるお客様に接客していると、年齢を重ねるごとに、似合う色も自然に変化していくのだと実感します。以下は、私の経験上「肌映えする」と感じることが多い色石です。

■ 40代:肌に透明感を出す明るめカラー
40代の方には元気さを感じていただきたいので、アクアマリン、ローズクォーツ、レモンクォーツなどを提案しています。私も40代のころは明るい色を楽しんでいました。

明るめカラーのリング

明るめカラーのリング

40代は肌の透明感が少しずつ失われてくる時期ですが、明るくやわらかい発色の石を選ぶことで、手元に清潔感と若々しさが出ます。ブルーやピンク系の明るい色は、肌の血色感も引き出してくれる効果があります。

■ 50代:深み+透明感のある色で洗練された印象に
顧客には50代の方が多いのですが、おすすめの宝石はサファイヤ、スモーキークォーツ、グリーンアメシストです。私も現在50代なので、写真のサファイヤをポップな感じで着けることがマイブームです。

深み+透明感のあるリング

深み+透明感のあるリング

50代は肌に少し深みとくすみが出てくる時期。落ち着いたトーンでありながら、透明感のある石を選ぶことで、洗練された印象に導けます。お客様には多色性やニュアンスカラーをお勧めして、肌になじみながら品よく華やかさを与えてくれることを楽しんでいただきます。

■ 60代以上:明るさと華やかさのバランスを
私は60代の女性こそジュエリーを本当に楽しめる世代だと思います。自分の分身を集めるようにジュエリーを楽しんでいただきたいです。おすすめ宝石はデザイン性の高いオパール、ツァボライト、ルチルクォーツなどです。

明るさと華やかさがあるリング

明るさと華やかさがあるリング

60代以上になると、肌にツヤ感が失われがち。その分、明るさと華やかさを兼ね備えた宝石を選ぶことで、表情や指元がパッと明るく見え、気持ちまで若々しくなります。特にデザイン性の高いダイヤやゴールド系、光を反射する石は、エレガントさと肌映えを両立してくれる名アイテムです。

手元が明るく見える!実際の変化を3例ご紹介!

年齢によるくすみや違和感も、選ぶジュエリー次第で印象が変わります。実際のお客様の変化をご紹介します。

■ケース1|50代女性:ピンクゴールド×ローズクォーツで血色感アップ
「最近、なぜかプラチナの指輪が似合わなくなってきた気がして…」そうご相談くださったのは、50代の女性のお客様でした。肌のトーンが少し落ち着いてきたことで、クール系の金属が浮いて見えてしまっていたようです。

そこで私がご提案したのが、ピンクゴールドの地金に、やわらかなローズクォーツを組み合わせたリング。

スモーキークオーツのリング

スモーキークオーツのリング

指先にふんわりとした血色感が生まれ、優しく上品な印象に。鏡の前で試着された瞬間、「明るい色って似合わないと思っていたけど、アリですね!」と、とても嬉しそうに話されていたのが印象的でした。

■ケース2|60代女性:憧れのエメラルドからツァボライトへ乗り換え
長年「グリーンの石といえばエメラルド」というスタイルを貫いてこられた60代の女性。最近になって、「なんだか肌がくすんで見える気がして…」という違和感を感じていたそうです。

同じグリーン系でも、透明感が高く鮮やかな発色が魅力のツァボライトをご提案したところ、手元がパッと明るく、指がすっきりと細長く見える効果も。

グリーン系のリング

グリーン系のリング

「これ、私の肌にぴったりかも。いつもより若く見える!」と、照れたように笑いながらおっしゃってくださったのが嬉しい瞬間でした。

■ケース3|40代女性:ブルートパーズできちんと感+抜け感を両立
「仕事でも普段でも使える、さりげなくてきれいなジュエリーがほしい。」そう語ってくださった40代の女性にご紹介したのが、一粒ブルートパーズのリング。

ブルートパーズのリング

ブルートパーズのリング

澄んだ水色が、落ち着いた大人の手元にすっとなじみ、なおかつきちんと感と抜け感を兼ね備えた絶妙なバランスに。光の加減で柔らかく輝く様子が、日常の中でも自然に映えると好評でした。

「これなら仕事の場でも浮かないし、オフの日もつけたくなる。毎日つける楽しみができました」と嬉しい言葉をいただきました。

プロの視点|ジュエリーの似合わせは見た目以上に、心に寄り添うこと

私が接客で一番大切にしているのは、「そのジュエリーをつけてお客様がどう感じるか」です。

たとえば、最初は「派手すぎるかも」と心配されていた方が、実際に指にはめてみると「これなら普段もつけたい!」と表情がパッと明るくなることがよくあります。その瞬間こそ、本当に“似合う”ジュエリーに出会えた証拠だと感じています。

① その方の「動き方」に注目する
指先をよく使う方、書き物が多い方、接客業で手元をよく見られる方など、その人の手の使い方によって、映えるデザインはまったく違います。

手の動き方に注目

手の動き方に注目

同じリングでも、ジェスチャーが多い方には指の動きにしなやかに沿うデザインを。控えめな所作の方には、指元で静かな存在感を放つ一粒石などをご提案します。

② 着用シーンを明確にする
「このジュエリーを、どこで、誰と、どんな気持ちでつけたいか?」その問いにしっかり耳を傾けることが、私のスタート地点です。たとえば「日常使いだけどきちんと感がほしい」と言われたら、カジュアルすぎず、でも目立ちすぎない抜け感のある一粒石をご紹介します。

一粒石のリング

一粒石のリング

「娘の結婚式に着けたい」となれば、普段より少しフォーマルな素材感や存在感が必要です。

結婚式につけたいリング

結婚式につけたいリング

そうした文脈がないまま、見た目だけで選んでしまうと、「なんだかしっくりこない」原因になってしまいます。

③ 年齢の変化はマイナスではなく、味方につける
お客様からきく手元の悩みの多くは、「昔よりハリがなくなった」「節が目立ってきた」などです。でも私は、「年齢を重ねた手元には若い頃には出せない物語と深みがありますよ。」と伝えています。

年齢を重ねた手には深みがある

年齢を重ねた手には深みがある

その人らしい生き方や想いをそっと引き立てるジュエリーは、決して派手ではなく、でも見る人の記憶に残るもの。そんな一本に出会っていただくために、「手元を隠す」ことより、「その人らしい見せ方」を見つけることを大切にしています。

④「足し算」ではなく「引き算」の視点も忘れない
毎日の接客で感じるのですが、あれこれ盛り込むより、1本だけに託す方が、印象はずっと洗練されます。特に大人世代の手元には、余白を残すことでジュエリーが際立ち、結果的に若々しく見えることが多いんです。

「足し算」ではなく「引き算」の視点も忘れない

「足し算」ではなく「引き算」の視点も忘れない

だから私は、試着時には「もう1つ足す」よりも、「この1本で、あなたらしさが映えますよ」と、そっと背中を押すようなご提案を心がけています。

まとめ:年齢を味方にするジュエリー選びのコツ

私自身、年齢とともに似合う色やデザインが変わることを実感しています。若い頃には選ばなかった柔らかい色石や、細身のデザインが今はしっくりくるようになりました。

「年齢を重ねたからこそ似合うジュエリーがある」と前向きに捉え、毎日の装いを楽しんでいただきたいです。

顔周りのジュエリーが気になる方はこちらの記事も参考にしてください。

https://www.ilpalazzovenezia.com/3240.html

 

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